冷凍空調システムの効率を高めるために欠かせない技術の一つが「サブクーリングプロセス」です。液冷媒を適切に制御することで、冷却性能の安定化や省エネ効果が期待できます。
本記事では、サブクーリングの定義や役割、システム効率への影響、設計手法や応用事例について詳しく解説します。
凝縮器を出た液冷媒を、その圧力における飽和温度よりもさらに低く保つ状態が「サブクーリングプロセス」です。この差をサブクール度と呼び、一般的には3〜10 K程度の範囲で設計されます。
サブクーリングの役割は、膨張弁に到達する液冷媒を完全に液体化させることでフラッシュガスの発生を防ぎ、冷凍効果を安定させる点にあります。配管やポンプにおけるキャビテーションを回避し、設備寿命を延ばす効果も期待できます。
サブクーリングはシステムの成績係数(COP)を向上させ、消費電力削減につながります。部分負荷運転時に効果が大きく、同じ圧縮機出力でより多くの冷却を行える利点があります。
一方で、過度にサブクール度を大きくすると熱交換器の面積増大や圧損増加、配管での結露のリスクといったデメリットが生じます。効率を高めるためには、必要範囲に収めたサブクーリングが不可欠です。
サブクーリングは主にコンデンサ出口で実現され、液冷媒を冷却媒体と接触させて飽和温度以下まで下げます。液吸熱交換器を利用すれば、液冷媒をさらに冷却する一方で吸入ガスを加熱でき、圧縮機の保護と効率向上の両立が可能です。
電子膨張弁を用いたフィードバック制御により、サブクール度を一定に維持できます。
サブクーリングを効果的に行うために、プレート式、マイクロチャネル式、液吸熱交換器、エコノマイザ回路が利用されます。プレート式は高効率ですがスラリー粉体混入時の詰まりに注意が必要です。
マイクロチャネルは小型化に有効ですが、圧損が増えやすくなります。液吸熱交換器は冷媒安定化に寄与し、エコノマイザはフラッシュガスを利用して効率を高めますが、構造が複雑化します。
冷媒の特性によって、適したサブクール度は異なります。P–T特性に基づく設計が基本ですが、混合冷媒では温度グライドの影響への考慮が必要です。
安全区分(A1/A2L/A3)に応じた材料適合性や、リスク管理は不可欠。低GWP冷媒を選択する場合には、CO₂やHFO系の特性に応じて高いサブクール設計が有効ですが、追加設備コストや制御複雑化を伴う点を無視できません。
冷却システムにおけるサブクーリングは、設備全体の成績係数(COP)の改善と消費電力の削減に直結する技術として、多くの事例が報告されています。
日本国内でも、高砂熱学工業が「冷媒サブクールシステム」として技術を紹介しており、冷却水を用いて液冷媒を補助的に冷却することで、空冷ビル用マルチエアコンやチラーにおいて15%以上の消費電力削減効果を実現した事例が示されています。
空調システムでは、浮動凝縮温度制御やインバータ制御と組み合わせることで効率を維持しやすくなります。特に大規模クリーンルームでは部分負荷運転が多く、サブクーリングによる効率最適化が有効です。
サブクーリングは再生可能エネルギーと組み合わせることで持続可能な運用にもつながります。外気や乾式クーラーを用いたプリサブクール、蓄冷材や氷蓄熱の併用、さらには太陽光発電からの余剰電力で小型サブクーラーを駆動するなどの方法が実用化されています。
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