回分蒸留(バッチ蒸留)は、蒸留と回収のプロセスを繰り返して、目的の成分を抽出する蒸留技術です。ここでは、回分蒸留の特徴や原理について解説し、さらに回分蒸留を扱う受託蒸留メーカーについてもご紹介します。
回分蒸留(バッチ蒸留)は、一定量の液体を蒸留器に仕込み、処理が完了するまで蒸留を繰り返す方法です。バッチごとに原料の投入・加熱・気化・凝縮・回収を行い、必要に応じて成分を分別します。小規模生産に適しており、ウイスキーや精密な化学品の製造に活用されます。連続蒸留に比べて設備が比較的シンプルで、多品種・少量生産に向いているのが特徴です。
回分蒸留では、原料液を加熱し、成分ごとの沸点差を利用して蒸気と液体を分離します。最初に低沸点の成分が蒸発し、次第に高沸点の成分へと移行するため、異なる温度帯で異なる成分を得ることが可能です。蒸留の進行に応じて液の組成が変化し、精密な温度管理と時間調整により目的の成分に分離・回収します。
回分蒸留は、柔軟な運用が可能で、少量・多品種の生産に適しています。異なる原料を切り替えやすく、特定の成分を高純度で抽出できるため、風味や品質の調整が求められる製品に向いています。また、装置の構造が比較的シンプルで、小規模な設備投資で導入できる点もメリットです。
一方で、回分蒸留は連続蒸留に比べて処理能力が低く、大量生産には不向きです。作業ごとに原料の投入と設備の洗浄が必要となるため、手間や時間がかかります。また、蒸留のたびに条件を調整する必要があるため、安定した品質を維持するには熟練した管理が求められます。
蒸留には、薄膜蒸留、精密蒸留、水蒸気蒸留、分留など、さまざまな蒸留手法があります。蒸留の目的や対象の化学品や溶剤によって適切な蒸留方法が異なるため、自社工場に合ったパートナーを選ぶことが非常に大切。金属イオンや残留物を基準以下に蒸留精製できないと、製品の品質やコストにも関わるからです。
そこで、本メディアでは、蒸留の目的や特性に合わせて選べる受託蒸留会社を厳選し、3社比較を掲載しています。適切なパートナー選びの参考としてぜひご活用ください。
回分蒸留の導入には、設備の規模や処理能力に応じた適切な装置選定が重要です。また、原料ごとに適切な蒸留条件を設定する必要があり、運用には技術的なノウハウが求められます。設備の洗浄や運転の切り替えに時間がかかるため、効率的なスケジュール管理が必要です。導入時には、運用コストや生産量とのバランスを考慮した上で、設備規模を決める必要があるでしょう。
使用済溶剤の分離精製をはじめファインケミカル製品の精製、バージン品のグレードアップなど多様な蒸留ニーズに応じる日本リファイン。蒸留工程を一括して受託して欲しいというニーズにも応じることができます。
会社名 | 日本リファイン株式会社 |
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所在地 | 岐阜県安八郡輪之内町中郷新田2574-1 |
電話番号 | 0584-69-3155 |
公式URL | https://n-refine.co.jp/ |
ライトケミカル工業では、200Lと1,250L、6,500Lの反応釜を有しており、反応性モノマーの精留や、有機物の回収精製再利用の蒸留を行うことが可能です。ラボ蒸留設備も保有しており、条件検討を行うこともできます。
会社名 | ライトケミカル工業株式会社 |
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所在地 | 滋賀県野洲市三上2251 |
電話番号 | 077-588-0589 |
公式URL | https://www.lightchemical.co.jp/ |
回分蒸留(バッチ蒸留)は、少量かつ様々な成分を抽出するのに適した蒸留技術です。シンプルな設備であるため、比較的容易に導入できます。一方で、容器の洗浄や原料の入れ替えなどに手間や時間がかかるため、大量生産できない点に注意が必要です。
蒸留対象となる材料の性質や求める純度・精度によって、必要な蒸留技術は異なります。そのため、原料の特性に合った設備やノウハウを持つ会社を選ぶことが、製品の品質・精度・純度の向上につながります。
ここでは、蒸留の目的や素材に応じて選べる、おすすめの受託会社を3社ピックアップしました。
中国精油が得意な蒸留精製
新菱が得意な蒸留精製
八代が得意な蒸留精製