化学、医薬品、食品、電子材料などの分野で活用されている受託蒸留。ここでは、受託蒸留サービスを提供しているメーカーの特徴を簡単にご紹介します。委託先をお探しの企業の方は、ぜひ参考にしてください。
製造業のさまざまな分野で必要とされる蒸留技術ですが、蒸留の目的や特性ごとに適切な蒸留方法や必要な設備が変わります。当メディアでは、編集チームが受託蒸留を行っている会社を調査し、熱に弱い素材・使用済み溶剤・食品や化粧品に使われる油脂などの材料といった目的や特性から選べるよう3社をピックアップしました。ぜひ自社に合ったパートナーを見つけてください。
受託蒸留を検討する際、単に「蒸留ができる」という点だけで依頼先を決めるのはリスクが伴います。 製品の品質やコスト、安定供給を左右する最適なパートナーを見極めるための3つの重要指標を整理しました。
まず確認すべきは、自社の原料に最適な「蒸留方式」と、必要な「生産量」に対応できる設備を有しているかという点です。 熱に弱い素材であれば薄膜蒸留や分子蒸留、高い純度が求められる場合は精密分留といった具合に、素材の特性に合致した仕組みが不可欠です。
また、研究開発段階の数キロ単位から、商用生産の数トン単位まで、フェーズに合わせたスケールアップが可能かどうかも、長期的な取引を検討する上での判断材料となります。
蒸留後の製品が指定のスペックを満たしているかを証明するためには、高度な分析体制が欠かせません。 ガスクロマトグラフィー(GC)や液相クロマトグラフィー(HPLC)はもちろん、電子材料分野であればPPB単位の金属分析が必要になるケースもあります。
ISO認証の取得状況や独自の品質保証体制など、客観的な信頼性を裏付けるデータが提供されるかどうかをチェックすることで、納入後のトラブルを未然に防ぐことができます。
取り扱う溶剤が「消防法上の危険物」に該当する場合、その類別に適合した許可を持つ工場でなければ引き受けることができません。 特に第4類以外の特殊な危険物や、劇物・毒物の取り扱いが必要な場合は、事前に確認が必要です。
さらに、蒸留後に発生する残渣(残りかす)の処理までトータルで依頼できるかも重要なポイントです。 廃棄物処理のライセンスを持つメーカーであれば、環境負荷を抑えた資源循環(リサイクル)の提案まで期待できるため、トータルコストの削減に繋がります。
機能性化学品に対する蒸留技術とノウハウを強みとする化学メーカーです。高沸点/低沸点、高融点、高真空などの幅広いニーズに対応。中でも熱に敏感なシリコーンやフォトレジストなどの薄膜蒸留を得意としています。
三菱ケミカルグループの一員として、分析力と技術力を活かしたサービスを提供している化学工業メーカーです。特に溶剤類のリサイクル・リユースに力を入れており、使用済み溶剤の高純度化や再利用を行っています。
油脂・油脂化学製品の高真空蒸留を行っている会社です。大阪工場や伊賀工場、四日市工場、橋本工場と4つの工場を所有。流下膜式蒸留や遠心式蒸留機で高精度な蒸留精製を行っています。
蒸留精製と精密合成の技術を強みに、高純度化、低水分化、低金属、低臭化などに対応しています。中でも電子材料分野ではPPBレベルの微小な有機不純物の管理に対応。液中パーティクル0.1μm/MAX.100を目指しています。
廃棄物のリユース・リサイクルや環境負荷の少ない製品づくりを行っている企業です。コア技術である蒸留精製技術を活用してリチウム1次、2次電池用電解液の受託製造を行うなど、電池関連事業に取り組んでいます。
1906年創業の化学メーカーです。受託蒸留だけでなく合成、製造、精製までトータルに対応。水俣製造所、戸畑工場、市原製造所それぞれで充実の設備を保有し、知見と経験をもとに幅広いニーズに対応しています。
有機溶剤の再資源化事業で実績を持つ企業です。数多くの依頼から得たデータ、蓄積したノウハウをもとに、通常の蒸留では難しい共沸混合物や沸点差の小さい混合物の分離に対応しています。
自社で製品づくりを行わず、クライアント企業のサポートに特化している企業です。中でも注力しているのがバッチ蒸留。有機化合物の反応蒸留、反応蒸留の単位操作と組み合わせた合成などを多数行っています。
技術力と知見を強みとする「精密蒸留の駆け込み寺」的存在である大阪油化工業。多彩な手法を組み合わせ、「他社では断られてしまった」「理論上はできるはずなのにうまくいかなかった」という案件にも積極的に対応しています。
常圧蒸留や減圧蒸留、単蒸留~精密分留、固体蒸留などさまざまな蒸留に対応。1993年の設立以来培ってきた技術と受託体制を活かし、初期検討から中量生産、商用生産までの各ステージでサービスを提供しています。
重合禁止剤やゴム用老化防止剤の製造・販売で実績豊富な企業です。受託蒸留では、熱媒油を加熱媒体として使用して減圧下(10mmHg)、300℃までの高温蒸留に対応。融点80℃程度の固体の蒸留を行っています。
化学品の受託蒸留事業に特化した企業です。精密蒸留装置や単蒸留装置、薄膜蒸留装置、スピニングバンド式蒸留装置など、多種多様な蒸留装置を駆使してニーズに応えています。
染料の原料であるジメチルアニリンの専業メーカーです。受託蒸留は、保有するチタンライニングの装置を用いて常圧蒸留・減圧精密蒸留に対応。水溶液(スラリー)や有機化合物液体(危険物第4類第三石油類~)を取り扱っています。
受託蒸留のみを行っている、蒸留の専門会社です。特に精密蒸留を得意としており、自社設計の蒸留設備で、高沸点・高融点・酸性物質などに幅広く対応しています。専用釜を設計して要望に応えることも可能です。
技術力や設備環境を活かし、「低コスト・品質の安定性・製品の安定供給」を追求。バッチ式・連続式の蒸留設備を多数保有し、精密蒸留による不純物の除去や高純度化を行っています。特に、高純度溶剤の低金属化・金属除去を得意としています。
メーカーや試薬会社、研究機関からの受託実績が豊富な企業です。20L減圧蒸留装置(理論段数10段)を用いて、未反応物、副生成物、不純物などを効果的に除去。分析センターでは化学分析や物性評価試験などを受託しています。
さまざまな技術を生かして化学薬品を一貫製造している企業です。受託蒸留では、多様な設備でグラムからトンのスケールまで対応。特にメタルフリー対応可能な蒸留設備が充実している点が特徴です。
自社設計の装置で、遠心式薄膜蒸留、精密蒸留、単蒸留の3つの蒸留方法に対応しています。得意とするのが高真空(0.4Pa)から中真空(40Pa)域での蒸留精製。電子材料分野や化粧品原料などの蒸留実績があります。
蒸留対象となる材料の性質や求める純度・精度によって、必要な蒸留技術は異なります。そのため、原料の特性に合った設備やノウハウを持つ会社を選ぶことが、製品の品質・精度・純度の向上につながります。
ここでは、蒸留の目的や素材に応じて選べる、おすすめの受託会社を3社ピックアップしました。
中国精油が得意な蒸留精製
新菱が得意な蒸留精製
八代が得意な蒸留精製