相対揮発度

目次

相対揮発度(比揮発度)の定義と基本概念

相対揮発度(比揮発度)とは、2成分系の混合液において各成分がどれだけ蒸発しやすいかを比較した指標です。蒸留分離の可否や難易度を判断するうえで欠かせない基礎的な数値として、化学工学の分野で広く用いられています。

定義式は以下のとおりです。

α = KA / KB =(yA/xA)÷(yB/xB

ここでKは気液平衡比(気相モル分率yと液相モル分率xの比)を表します。αが1より大きいほど、成分Aは成分Bに比べて蒸発しやすく、蒸留による分離が容易であることを意味します。受託蒸留を検討する際にも、相対揮発度の事前確認は分離の可否を見極める重要な判断材料です。

相対揮発度の計算方法

理想溶液(ラウールの法則が成り立つ系)では、相対揮発度は各成分の純成分蒸気圧の比として算出できます。

α = P°A / P°B

純成分蒸気圧P°は、Antoine(アントワン)式を用いて温度から推算するのが一般的です。蒸留塔内では塔頂と塔底で温度が異なるため、定圧条件下ではそれぞれの温度におけるαの幾何平均値を採用する場合があります。

一方、非理想溶液では成分間の分子間相互作用を考慮する必要があり、活量係数(γ)を導入して α =(γA・P°A)/(γB・P°B) として求めます。非理想系では組成や温度によってαが変動するため、理想系と比べて計算が複雑になる点に注意が必要です。

相対揮発度の値と蒸留分離の難易度

相対揮発度αの値によって、蒸留分離の難易度はおおむね以下のように分類されます。

αが小さくなるほど必要な理論段数や還流比が増大し、設備規模・エネルギー消費ともに大きくなります。実務上は α > 1.2 程度が蒸留分離の現実的な下限とされています。

まとめ

相対揮発度は、蒸留分離の成否を左右する基本的な指標です。分離対象となる成分の相対揮発度を事前に把握することで、適切な蒸留手法や操作条件の選定につながります。

【目的・特性別】
受託蒸留会社3選

蒸留対象となる材料の性質や求める純度・精度によって、必要な蒸留技術は異なります。そのため、原料の特性に合った設備やノウハウを持つ会社を選ぶことが、製品の品質・精度・純度の向上につながります
ここでは、蒸留の目的や素材に応じて選べる、おすすめの受託会社を3社ピックアップしました。

精密な温度管理
必要なら
中国精油
  • 熱分解しやすい機能性化学品も徹底した温度管理で蒸留精製できる薄膜蒸留設備が揃う
  • 低分子シロキサン除去など半導体・電子材料分野の実績に加え、技術アドバイザーの知見で精製レベルの向上を図れる

中国精油が得意な蒸留精製

  • 熱に弱いフォトレジスト
  • 粘度のあるシリコーン
    など
使用済み溶剤を再生
するなら
新菱
  • 揮発性の高い溶剤や脱水が必要な有機溶剤を精密蒸留により再利用できる品質に精製可能
  • 使用済み溶剤を希望の純度に調整し、再利用を促進することで廃棄コストと環境負荷の低減を両立

新菱が得意な蒸留精製

  • 揮発性の高い溶剤
  • 脱水が必要な有機溶剤
    など
脱酸・脱臭処理
必要なら
八代
  • 植物油脂の精製に特化。高真空環境での蒸留により、熱による油脂の劣化を抑えながら精製できる
  • 脱臭・脱酸処理にも対応し、化粧品・食品向けの油脂の蒸留精製と製品の品質向上にも貢献

八代が得意な蒸留精製

  • 酸化しやすい植物油脂
  • 脱臭処理が必要な油脂
    など
目的・特性別受託蒸留会社
3選