アウトガスの発生メカニズムや、それが引き起こす産業分野での品質トラブルについて疑問に思っていませんか?
本記事では、アウトガスの基礎知識から、電子部品や光学機器などで発生する代表的な不具合、さらに原因物質を低減するための「受託蒸留」による対策までを分かりやすく解説します。
アウトガスとは、材料に含まれる揮発性成分が外部へ放出される現象、または放出される気体のことを指します。常温・常圧でも発生しますが、特に真空環境や高温環境では放出量が増加しやすくなります。材料の表面や内部に含まれる揮発性成分が放出されることで、製品の性能や品質に影響を及ぼす場合があります。
アウトガスの原因物質には、樹脂やプラスチック、接着剤などに含まれるさまざまな低分子成分があります。代表的なものとして、材料中の「水分」、製造工程で使用される「残留溶剤」、反応しきれなかった「未反応モノマー」、さらに「低分子量オリゴマー」や「可塑剤などの揮発性添加剤」が挙げられます。これらの成分が揮発することでアウトガスが発生します。
発生したアウトガスは、揮発後に周辺部品の表面へ凝縮・再付着し、工業製品に悪影響を及ぼすことがあります。特に電子部品では、低分子シロキサンなどの揮発成分が電気接点に付着すると、接触抵抗の増加や絶縁特性の変化を招き、接触不良やリレー・スイッチなどの動作不良につながる場合があります。
アウトガスは光学機器にも影響を及ぼします。放出された揮発成分が機器内部の温度が低い部分で凝縮・析出し、カメラレンズやセンサーなどの光学面へ付着する現象は「フォギング(曇り)」と呼ばれます。フォギングが発生すると光の透過率が低下し、撮像性能や測定精度の低下を招く原因となります。
製造工程における代表的なアウトガス対策として、「ベーキング(ベークアウト)」があります。これは製品や部材を真空中または適切な雰囲気下で加熱し、内部に含まれる揮発性成分をあらかじめ放出させる処理です。事前に脱ガスを促進することで、後工程や実使用環境で発生するアウトガスを低減できます。
アウトガスを根本的に低減するには、成形後の処理だけでなく、樹脂や接着剤などの原料段階で揮発性成分を減らすことも重要です。残留溶剤や未反応モノマー、低分子量成分など、アウトガスの原因となる不純物を事前に除去することで、ガスの発生量を抑えられる場合があります。
しかし、これらの成分を高精度に分離・精製するには、対象物質に応じた蒸留条件の設計や専用設備が必要となるため、自社で対応することが難しいケースも少なくありません。そのような場合には、受託蒸留による精製を活用することで、蒸留によって除去可能な低分子成分や残留溶剤などを効率よく低減でき、アウトガス対策の一つとして有効です。
アウトガスは、材料から放出された揮発性成分が電子部品や光学機器などに付着することで、接触不良やフォギング(曇り)などの品質トラブルを引き起こすことがあります。対策としては、ベーキングによる脱ガス処理に加え、原料中の残留溶剤や未反応モノマーなどを低減することも有効です。
特に、蒸留によって除去可能な低分子成分が原因となるケースでは、受託蒸留を活用した高純度化がアウトガス低減につながります。対象物質や製造プロセスに応じて適切な対策を組み合わせることで、より高い製品品質の実現を目指しましょう。
蒸留対象となる材料の性質や求める純度・精度によって、必要な蒸留技術は異なります。そのため、原料の特性に合った設備やノウハウを持つ会社を選ぶことが、製品の品質・精度・純度の向上につながります。
ここでは、蒸留の目的や素材に応じて選べる、おすすめの受託会社を3社ピックアップしました。
中国精油が得意な蒸留精製
新菱が得意な蒸留精製
八代が得意な蒸留精製